故郷創生に思う

わが県の石破創生大臣の指揮下、全国各県は故郷創生に向けて走り出した。大きな予算措置もある。各県の知恵比べでもありましょう。そして思う、こんな大型予算の地方への支援はこれが最後となるのではないかと。換言すれば地域独立の最後の大きな機会となるここ数年かもと。国も無い袖は振れなくなっている。これを単なる補助金感覚でやり過してはなるまい。この機会を、地域の自立的活性化へ強く結びつける必要がある。使った金が地域内を循環し、潤し、そして次なる地元発展に繋がる使い方の事業を構築する必要がある、一時的ではいけないのだ。要するに、お金が地域内を循環して地域内相乗効果のある仕組みにしなくてはならない。地域内で事業を興し、他県にない事業により県内経済を回し雇用を創生しなくてはならぬ。

大企業の工場誘致も、世界情勢の変転によりいつどうなるのか分からぬのが企業の経済合理性原則である。円安から円高になれば逆転も考えられるのだ。

言うは易いがこれは実に至難である。でも、それを創造してゆかなくては地域活性化に繋がらない。地域創・再生のための域内経済システムを構築する、こういう頭脳部門が商工会議所内にあるのだろうか、寡聞にして知らない。単なる調整機能が主たる業務では役割を果たせなくなって久しい。思い切った抜本的施策が各般に亘り必要な現在である。私は都市銀行支店長と地銀経営陣にいて各地の企業に融資をし事業経営を観察してきた。お叱りを受けるかも知れぬが、どうも鳥取人には商売に関して、これでもか、これでもかと言う工夫が足りない印象を受けた。他県に比しハードもソフトもオリジナルが少ないと感じている。

公的部門主導では創造的工夫に限界がある。平成27年3月25日  

                              徳永圀典