峰定寺 

()定寺(じょうじ)(きざ)(はし)けわししじみ蝶   白川敬太 

保津川の源流、寺谷川の渓谷にあり閑寂しにて幽邃の雰囲気にある。

私は大先輩故・近藤治衛氏と尋ねた記憶がある。仙境と申すべきであった。もう一度訪ねたいと思う。 

天台宗の寺、修験道の道場。きれいな川と水が流れている。紅葉は格段に美しい、鄙びた中に華やぎのある雰囲気。 

懸崖の上に本堂があるが、舞台作りで清水の舞台のようだ。創建以来数百年、この本堂の厨子の中には十一面観音菩薩様が祀られている。 

本堂近くに俊寛僧都塔がある。室町時代のものだ。俊寛僧都の妻子がここに隠遁し墓をつくり冥福を祈ったという。

                岫雲斎圀典