327日  上に立つ者の在り方

 重職というものは国家の大事を処理すべき職であって、この重の字にふさわしくない軽々しいのは悪い。大事に油断があっては重職たるに値せぬものとと云わねばんらぬ。それにはまず挙動言語からして重厚にし、威厳を養わねばならぬ。重職は君に代わって仕事をする大臣であるから、大臣に権威があって百事成績もあが。物をどっしりと定めるところがあってこそ人心をも鎮めることができるものである。それでこそ重職という名にかなうであろう。

上の「重職心得箇条」は、一斎が岩村藩の君臣の為に起草した十七条憲法とも云うべきもので、多くの部下を支配してゆく人々のために今日もなお不朽の価値ある作品である。 東洋宰相学