3月31日 物事の慣性

 人間の事というものは久しい時代をかけ、その間に習熟、修練を積まないと本当のものにならないのであります。大抵のものはは「始めあらざるなく終りあるは少し」と格言にも説いてありますように、なかなか続かないものであります。物体の運動の法則でもそうでありますが、それがつまり慣れっこ、慣性となって無意識的に始めに与えられた力の方向へそのまま動いてゆくというようになる。