法然院 

こころ(なご)み時に求めて来ませしとぞ

      ここ法然院の夏蝉はやし  桂静子 

疎水べりの山沿いにある法然院。正式には「善気山獅子谷法然院」と言うらしい。

ここの簡素な茅葺の門がいい。禅寺のような静かさ、幽邃の雰囲気がある。最も京都らしいと言う人もいる。 

河上肇は生前より、ここをおくつきと定めたという。自作の歌がお墓に刻まれている。 

たどりつきふり返りみれば山川を

     越えては越えて来つるものかな 

哲学者や思想家の永遠のおくつきとして相応しい所と言われている。

我が尊敬する上司・阪部俊作氏のお墓もある。 

                 岫雲斎圀典