求められる知識と見識

知識より見識が根本的要件とならねばならぬ。大学を出ただけでは何らの絶対要件とならぬ。

現代の日本人の多くは、特に戦後教育を受けた人間は、欧米流の科学的、合理的な知識主義が全ての根幹であり大切だと考えている。

逆に、日本の古来から形成されてきた精神とか、伝統文化は、古いものとして軽視している風がある。

中でも軽視されたのが、「人間の精神、心の形成の大切さ」であると安岡先生は憂慮された。

日本を覆っている心の荒廃、価値観の崩壊は、人間の精神形成よりも頭でっかちの知識主義を無条件に受け入れたことにより弊害であると指摘しても過言ではない。