鳥取木鶏会 3月レジメ 安岡正篤先生の言葉
「勇気」と「敬」と「誠」
「有為にして而して無為なる之を敬と謂ふ。無為にして而して有為なる之を誠と謂ふ」
議論よりも何よりも先ず実践する勇気を持った優れた人々が、その位におることが必要であると申しましたが、それは今日の政府を見てもよく分かります。
内閣の各大臣もそうですが、とりわけ首相、総理と言われる人はよほど勇気が無ければ何も出来ません。
勇気の出処は
その勇気は何処から出るかというと、これは利害打算からは出ない。
やはり人間としての敬虔な精神から出るものです。
敬というものは、分散した精神ではなくて道とか理想に対した時に、全精神から生ずるものです。
国民五原則
一、衣食の営みに忙しくとも、その間おのずから人の為、道の為になることを考えましょう。
二、徒に外国を謳歌し、自国を軽侮するようなことを止めて、祖国を少しでも善くしましょう。それでこそ外国も敬意を以て日本を待つでしょう。
三、階級的反感憎悪と、それに基づく闘争手段によって人間社会を善くすることは絶対に出来ません。敬愛と礼節と協調との美しい世界を造りましょう。
四、正義と勇気と思慮を以て真実を世界に訴え、日本の現状を打開しましょう。
五、いかなる逆境にも忍耐と余裕を失わず、禍を転じて福にして行きましょう。