南禅寺 

来なれたる萩の一路や南禅寺   河東(かわとう)(へき)梧桐(ごどう) 

亀山上皇の離宮であったらしい。歴朝の勅願所でもあり大いに栄え、遂に五山の更に上位に上った。 

五山とは、天龍寺、相国寺、建仁寺、東福寺そして万寿寺である。 


眠る山にかへる雲あり南禅寺
  高浜虚子 

ここの湯豆腐は有名。塔頭の古ぼけた大きな木製の看板が土蔵の上にあったと記憶している。

ゆどうふ、田楽(でんがく)、胡麻豆腐、湯葉(ゆば)じる、てんぷら、とろろ汁、あんかけ、(やつこ)豆腐(とうふ)などなど印象が深い。京のいなかの風情と言えようか。 

食べ物の話となったが、智頭の石谷家住宅の主人、石谷正樹氏夫妻と近くの瓢亭で食事したことをを思い出した。住友別邸見学の帰りであった。
                     岫雲斎圀典