歴史の浅いアメリカは思慮分別の欠けた国 

現今の日本にとり、アメリカは大変重要な国である。世界一腕力が強く、日本は喧嘩したらお仕舞いだ。

だが、アメリカとは何という、歴史の視点のない、思慮分別に欠け、目先きだけの国であろう。北朝鮮への対応を見ると幼児の如き無責任な外交だ。アフガンも中近東もみな、元親密国を敵にしてしまい墓穴を掘る。

歴史の浅い国家・アメリカである。頼りにならないアメリカである。こんな国に全面的に依存していては日本は不味いが、世界を見渡してもアメリカ以外に頼れる国も無い。日本はしつかりしなくてはならない。極東アジアは無法者の国家群ばかりである。 

近年では、イラクの失敗、そしてイラン皇帝時代の失敗、両国ともアメリカとは親密時代もあった。 

更に遡ると、小国ベトナムでの実質的敗戦、それによるアメリカ経済の疲弊の始まり。 

更に遡ると日本との大名東亜戦争である。一言で言えば、「日本相手の戦争はしない方がアメリカの為であった。 

大東亜戦争の主役アメリカは日本との戦闘には勝ったが、その目的を果たしたのか、それは「否」である。アメリカは当初ライバル日本を潰してアジア大陸の覇権を独占したいとの目的は完全に失敗した。

元々、大陸では中華民国の蒋介石を対日戦争で支援してきたのに心変わりし中国大陸を共産党支配に追い込んだアメリカ。更に、朝鮮半島まで敵に廻しつつあり撤退を始めた。真摯で誠実な日本をアメリカのフロンテイァとしつつある。これは日本にとり、幕末時代から最も恐れ危惧してきた事態である。日本は覚悟しなくては危ない。 

決して反アメリカの国でもない日本を追い込み孤立化させ戦争に追い込んだアメリカ。 

日本を潰したお陰で、シナ大陸は全て共産主義の支配下となった。アメリカはソ連のスターリンの敵同士戦わせる孫子の兵法のワナに完全に嵌められた事に気付き長い米ソ冷戦という重荷を背負うこととなったではないか。朝鮮半島も影響を失いつつある。 

アメリカにとり太平洋戦争とは何であったのか。目的を果たさず、空しさが残るだけではないか。 

大東亜戦争は「アメリカの負け」であり、日本は負けて勝ったといえる。現実に、敗戦後の日本は経済の世界第二の大国として、対外債権世界一の国家となった。アメリカは世界最大の債務国となった。アメリカとは腕力だけで「思慮分別」「前後の見境い」の欠けた国のようである。アメリカの世紀の終わりの始まりである。

 平成19310

   徳永日本学研究所 代表 徳永圀典