奔流する国際情勢一瞥

世界を広く観察していると、人類とは実に理性に欠けるものだなと痛感して悲しくなるばかりである。
イラクが終われば、イランがまた問題を複雑にする強硬派の大統領。石油資源大国に原子力が必要なのか。まあ、大国だけが原子力を持つ権利というのも妙な話ではあるが。
それを言えば、60年前に喧嘩で勝った国、第二次世界大戦の勝利国の五カ国が国連総会で拒否権を持つなど、人間とか人類がそもそも平等でないことの証左である。これこそ廃止しなくてはなるまい。
さて、パレスチィナにも強硬派が出現して問題解決の見通しは薄らいだ。二千年間モメてきたこのパレスティナ問題が簡単に片付く筈はあるまい。

中国が世界中の反米テロ国家に資金を供与して石油資源の入手に有利な地位を占める。アメリカは後手に廻っている。皮肉なことに、イスラムとか、テロ国ばかりに石油資源が存在する。中国の狙い目はいい線を行きていることになる。
その中国、覇権的軍事、海洋大国を目指してアメリカに対抗できる軍事力を達成しつつある。尖閣諸島はおろか、沖縄から沖の鳥島を版図とする中華思想領土観を持っいることが明白となる。日本併合の野望も見え隠れする。
共産主義一党独裁の手法で、世界を我が物顔で席捲されたら人類の悲劇を招くことは間違いない、遠国のヨーロッパは対中国に無責任で傍観できるが、はた迷惑千万なのが周辺国、朝鮮半島は喜んでいるようだが、道義を持つ由緒ある日本はえらい迷惑である。それは史上かって無かった日本の危機存亡となるからだ。気のつかない日本のノー天気な連中が多いのに驚かされる。

東アジア共同体構想なんて、幻想である。一言で言えば、中国バブル崩壊時の日本マネー吸引システムである。だからロシアもアメリカも関心を現時点では示さない。彼らには分かっているのだ。その上に、EUのような民主主義国ばかりでなく、共通の価値観を保有していない中国とか韓国では、中国の意・威のままにされるだけである。日本人の価値観は西欧に近く成熟している。未成熟の中国とか韓国では、日本はかれらに小突き回されるのが落ちである。この構想は避けなくてはならぬ。絶対に巧く行かないだけでなく、人口で圧倒され中国の配下となるだけで日本併合の端緒となり得る。

インドはその点、世界最大の民主主義国であり価値観を共有する。インドは昭和天皇の喪に議会が三日間に服した。毎年広島に原爆が落とされた日にはインドの国会では黙祷が捧げられている。日本無罪と叫んだあのパール判事の祖国である。インドとは親密にならねばならぬ。日本はインドとかオーストラリアとニュージーランドと組みすべきである。東南アジア諸国も内心では中国を嫌がっている、日本が確りして欲しいのが本音である。

ロシアは石油資源は世界一だ、国の収支は大幅余剰、この資金は求心力として作用しロシア帝国構築に向かうであろう。狡賢いロシア、プーチンは独裁的となり皇帝を目指す、最近、日本の北方空域でロシアの航空機侵犯が通告も頻発し謝罪もない。これはソ連帝国復活の前兆現象と見る。

台湾も親日は終焉を迎えつつあるようだ。昇竜の中国に靡きだした。野党が優勢で野党の馬党首は「理論的強烈反日者」で対日態度は明白。中国と台湾国民党による第三次国共合作はあり得る。日本にはとてもやばい話である。究極の話は、台湾海峡の封鎖となるからだ、これは日本にとり決定的致命的だ。

韓国も北朝鮮と「朝鮮連邦」結成の方向で進んでいる。反日は明白となつた。間違いなく日本にとり手強いこととなる。なにせい、元首を筆頭にあるゆる悪事をやる国だからだ。しかも在日朝鮮人が多数おり、陰に陽に呼応して支援し反日行動激化の懸念が増大する恐れがある。

アメリカはいち早く戦略的軍事配置の変更に動いており、トランスフォーメーションとは言うが、中国とは戦争までして日本を防衛する意図はあるまい。対中対決の深入り危険事前防止策ではないか。そうすると日本は完全に孤立する。
ここまでの思考の論理的結論は、日本の核武装と自立の覚悟である。それをやらないと日本は確実に中国に狙われる。

その日本といえば、インテリジェンスの無い、途方も無い無防備な国民が平和ボケでふにゃけている。国家の体をなしていないのだ。
与野党の国会論戦の低次元の様子を見るがいい、性懲りも無い議員連中だ。

もう、こんな気持ちにならないで、どこか平和に過ごせる国がないものか。天皇の後継問題も不安があるし、2000年の栄光ある国史を守る気概も欠けた政治家や国民が多すぎる。未来が心配だが、弱気の日本人は、アメリカの第52州になつたらと思う奴が出てくるやもしれぬ。

それなのに、政治家は、中国の招待外交で、恰も朝貢するように、のこのこと出かけて行く連中ばかり。加藤紘一、古賀誠、野中務、野田毅、福田康夫、橋本派の一部、公明党など中国シンパサイザイーの動向に目が離せない。日本を売らないでくれよ。矜持を捨てないでくれよ。

日本は国家の体をなしていない。のんきな国、日本である。
嫌な、情けない未来日本の凋落を見る前に死んだほうがいいのかもと思いたくなる。弱気が覗いた一瞬である。
さあー、そうも言ってはおられない。日本人は覚悟をしなければならない歴史的瞬間が近い。
それは、「核武装」しかない。自分の国は断じて自分で守りぬくものだ。
                    平成18年3月1日
  徳永日本学研究所 代表 徳永圀典