「敵とは」 徳永の「一提言」
自分にこだわるから敵が生まれるのです。
「自己アレバ敵アリ、自己ナケレバ敵ナシ」
この心境に到着しました。哲学の領域です。
自分を確立すれば自ずから敵が出てくる。
自分が無ければ、敵はない。
この呼吸こそ加齢の意義でなくてはなりません。
自分が正しいと思って発言したり行動する。
自分が正しいということは、意見の異なる相手を間違いだとみなすことになる。これは敵を作ることにつながる。
人間は、どうしても正しい答えがあると考えるものです。
何事にも正解があると考える習性があります。
然し実生活では、例えば、漢字の線が一本抜けておっても、読めれば、分ればいいと済ますことができる。
正しい答えが常にあるわけではない。一日、或いは一か月、一年経ったら、なんであんなことしたのか、十年経てば、あの考えは全く間違いだった、そんなことは実生活では沢山ある。
まして、「間違える存在である人間」のつくるイデオロギーを永劫に墨守するなど、時代、人間の発展、成長とともに大きな禍根となるのは人間、或いは社会、国家とて同様であります。
自分という固定したものを作らない、柔軟な思考が大切であります。 鳥取木鶏会 会長 徳永圀典