1日 |
297句 |
ほとけの弟子は つねに よく醒め覚る 昼となく 夜となく 彼らがつねに念ずるは 達磨にあり
|
釈迦の弟子は常に心が冷静である、昼も夜も心の修養を怠らない。
|
|
2日 |
298句 |
ほとけの弟子は つねに よく醒め覚る 昼となく 夜となく 彼らがつねに念ずるは 聖りのまどいにあり。
|
釈迦の弟子は常に心がよく醒めている。それは昼夜を問わず自らの修養に思いをはせている。
|
|
3日 |
299句 |
仏の弟子は つねに よく醒め覚る 昼となく夜となく 彼らがつねに念ずるき 身体にあり
|
釈迦の弟子は常に心がよく醒めている。それは昼夜を問わず自らの身体に思いをはせている。
|
|
4日 |
300句 |
釈迦の弟子は つねに よく醒め覚る 昼となく 夜となく 彼らの意 つねにたのしむところは 不害にあり
|
釈迦の弟子は常に心がよく醒めている。それは昼夜を問わず他人を害しないことに喜びを見出している。
|
|
5日 |
301句 |
釈迦の弟子は つねに よく醒め覚る 昼となく 夜となく 彼らの意 つねにたのしむところは 思索にあり。
|
釈迦の弟子は常に心がよく醒めている。それは昼夜を問わず思索を楽しむことにあり。
|
|
6日 |
302句 |
出家するはかたく そをたのしむこともかたく 家に住むもかたく また苦しみなり 同輩と共に住むもまた苦 遍歴にゆくも苦に遭うなり されば巡歴するなかれ また苦に遇うことなかれ
|
出家することは難しい。出家の生活も難しく僧庵に住むのは苦である。家も悩ましく同僚との共同生活も苦である。旅に出て乞食きするのも苦に遭遇する、苦にあわないがいい。
|
|
7日 |
303句 |
信ありて 戒をそなえ 誉と富とを 有てるもの いかなる ところに赴くも ことごとく 忝敬せられん。
|
信と道徳を具備し、名誉財産を併せ持ちなば、その人はいかなる場所でも尊敬されよう。、
|
|
8日 |
304句 |
善き人は げに雪山のごとく 遠き国よりも 見ゆるなり 不善人は まこと 夜陰に 放たれし矢のごとく 近づけばとて 見えがたし。
|
ヒマラヤの山々のように 善人は遠くからも輝いて見える。悪人は近くでは見えない、闇に放たれた矢のようである。
|
|
9日 |
305句 |
ひとり坐し ひとり臥し ひとり遊行して うむことなし ひとり自己を ととのえ 林間にありて 心たのしむ
|
独り坐し、独り臥し、ただ独り遊行し、たた独り慎みを守り、こうして森の中で静寂を楽しむ。
|
|
10日 |
第二十二品
306 |
不実をかたりて 悪処に入り 自ら作して 「わ
れは作さず」という これら両者の 賎しき業のもののちにひとしく 悪処に入らん
|
真実ならざるを語る者は地獄に行く、自分がなしておりながら否定する者、これら両者の死後の運命は同じである。二人とも次の運命は賎しい業の人となろう。
|
|
11日 |
307句 |
多くの人 肩に黄衣をまとうとも 悪しき法をなし 自らを制うなくば かかる人々 その悪しき業によりて 悪処に堕入らん
|
譬え袈裟をまとつていても、悪い行いをし、自制する心が無ければ地獄に墜ちるであろう。
|
|
12日 |
308句 |
火焔のごとき 灼けたる 鉄をくらうとも むしろ 戒を破り 身を慎みなくして 国の施物を 食うことなからん
|
道徳を守り自制する心のない者は国の施しものを受けるよりは寧ろ火焔のように熱している鉄を食ったほうがましだ。
|
|
13日 |
309句 |
心なきもの 他の婦に 狎れ親しむ 四つのわざわい 生ずべし わざわいと こころ安からぬ眠りと 第三にそしりと 第四に地獄にゆくことなり
|
他人の妻に溺れ楽しむ、その反省の無い人にし四つの不幸が生ずる。他人に害悪を与える、不眠、世間の非難、そして心の地獄である。
|
|
14日 |
310句 |
邪淫の人は あしき名を得 おもむくところ 悪処なり 他の婦と娯むなかれ 畏れつつ たのしむは 何のよろこびぞ さらに王は 重罰を加うなり
|
他人の妻と淫するは害悪である。彼は地獄に生まれる。恐れながら他人の妻と淫するは本物にあらず。重罰を得るであろう。
|
|
15日 |
311句 |
執ること つたなければ 萱草に 手をきるがごとく 沙門の法も これを行うに よろしきを得ざれば 地獄にみつびくなり
|
草の掴み方が悪いと手が切られるように修行者も行いが悪いと地獄に落ちる。
|
|
16日 |
312句 |
その行い つつしみなく その禁戒 みだれ こころためらいつつ たとえ梵行をなすとも ともにこれ 大いなる報をば得ず
|
行いが怠惰で戒律を乱し、正しい行いに逡巡があれば大いなる果報をもたらさない。
|
|
17日 |
313句 |
まさに 作すべきことは これを 力づよくなしおえよ 心なき出家者は むしろ 多くこの世に 塵を散ず
|
これこそ正になすべきことである。勇敢にやれ、なぜなれば勤しまない修行者は却って多く害悪を散らすからだ。
|
|
18日 |
314句 |
あしき行は 作さざるをよしとす そは のちに悩むべければなり 善き行こそは なすをよしとす これすなわち 悔いなければなり
|
悪い行いをしないこと、悪い行いは後で後悔する。善い行いは善いことだ、後に苦しみがないからだ。
|
|
19日 |
315句 |
辺彊の域は 内も外も共に かたく守らる かくのごとく 自己をまもるべし 瞬時もゆるがせにせざれ さなくば 悪処に至りて うれいかなしまん
|
辺地の区域は内外の守りを固くするように自分自身も守らねばならぬ。瞬時も油断してはならぬ。瞬時の怠慢で地獄に墜ちるであろう。
|
|
20日 |
316句 |
はずべからざるに 恥じて はずべきに 恥ずるなき かかる邪の見に 著せる衆生は わざわいの途に おもむくなり
|
恥じてはならぬ事に恥じ、恥じなくてよい事に恥じない、これらの人々は間違いで地獄に墜ちる。
|
|
21日 |
317句 |
おそれなきに おそれを見 おそるべきところに おそれを見るなき かかる邪の見に 著せる衆生は わざわいの途に おもむくなり
|
恐れね必要もない事に恐れ、恐れるものに恐れない。この間違いの道を進めば地獄に墜ちる。
|
|
22日 |
318句 |
避くべからざるに さくべしとおもい さくべきに さくべからざると見る かかる邪の見に 執念き衆生は わざわいの途に おもむくなり
|
間違いがないのに間違いと捉え、過ちを無いと思う誤謬を持つ人々は地獄に行く。
|
|
23日 |
219句 |
そして、そうした古墳から出土する色々な遺物をもって古墳時代の文化を考えていくのが、今日、考古学における一つの大きな流れになっています。
|
24日 |
第二十三品
320句 |
射られたる箭を忍ぶ 戦場の象の如く われはひとの そしりを忍ばん 大衆はげに 戒をもたざればなり
|
戦場で象が射られた矢を堪えるように私も世間の誹謗を忍ぶ。なぜなら多くの人々は道徳を行っていないからだ。
|
|
25日 |
321句 |
よく調けられたる象は 戦場に ひき往かる 王は かかる 調れたる象にこそ 乗るなり さればかの象のごとく 世のそしりを忍び 自らを整めたる者こそ 人中の第一なり
|
王様はよく訓練した象を戦場に連れて行く。自分を制し、人の誹謗を耐え忍ぶ人こそ最上の人間である。
|
|
26日 |
322句 |
馴らされたる ロバは善く 辛頭の 良馬もよし 大きなる牙をもつ 象もよろしく 自己をととのえたる者は さらによし
|
訓練されたロバ、しんどう地方の良馬もよい、力ある象もまたいい。しかし、己を制御できる人はさらにいい。
|
|
27日 |
323句 |
ただこれらの 乗物に由りてのみ 未到の境地には いたることなし ただつつしみある人は おのれ自らを 調うるによりてのみ 彼岸には至らん
|
ただ、これらの乗物では到底彼岸?精神的自在-と申すべき「行く能わざる世界」には到達できない。自分がよく馴れた乗物に乗るように自らを自制してこそその境地に到達できる。
|
|
28日 |
324句 |
ダナパーラカと 名づくる象ははげしく狂いては 制えがたきも 繋につきては 食をとることなし 象はただ己れのすむ 林わしたえばなり
|
ダナパーラカと言う名の象は、発狂して調整しがたいけれども、もしその象を捕縛すると一口も食べない。ただ象の林を恋いしたっている。
|
|
29日 |
325句 |
睡眠をこのみ 食をとること 飽くることなく うちまろびつつ寝ね こころおこたる 暗鈍者は 穀種に肥えたる 大豚のごとく しばしば胞胎に入る
|
怠け者であるばかりか飽くまで食う、ただ寝るばかりかゴロゴロ過している愚者は、ちようど穀物で養われている豚の如く転生し続け悩み多い輪廻が続く。
|
|
30日 |
326句 |
この心 さきには その望みにまかせ 欲にしたがい たのしみにそいて さすらい往けり されど今日こそ われよくこれを制えん まこと象つかいの 鉤をとりて 酔象を御するがごとく
|
この心 その願いの望むままに、欲求のままに、或いは享楽にまかせて放浪した。しかし今日こそは象師が酔象を制御するようにこの心を完全に制御しよう。
|
|