日本の没落を防ぐ為に「何をなすべきか」
1918年、100年前の本、シュペングラーの「西洋の没落」に関して鳥取木鶏会で度々引用しています。西洋は没落すると予言したものである。
日本は、中国、インドと共に独自の文化を持つものであるが、
敗戦後、格段にアメリカ文化に毒されてきて既に70年、明治維新により西洋文化に怒涛の如くのめり込かで丁度150年となります。
日本は、西洋文化の範疇に入るのではないか。
シュペングラーの西洋の没落理論によりと日本は、西洋文化の範疇に大きく入るとも言える。
現在のヨーロッパ、EUの混乱を洞察すれば西洋の没落の前兆かもしれないのであります。
今日の世界が直面する諸現象、
経済成長の鈍化、グローバリゼーション、地方の衰退、少子化、ポピュリズム、リベラリズムの失効、機械による人間支配、非西洋諸国の台頭、金融支配などなど、これらはシュペングラーが150年前に予言しているのです。
先ほど述べたように、日本はこの150年も西洋を範として歩んできましたが、その西洋文明化が、皮肉にも功を奏したのか、現代日本は西洋と共に没落の運命を辿っているように思える。
近代資本主義が100年以上の劇的疾走の今、弱体化し、危険に曝されているのではないか。
資本主義の恩恵により成功した中国の劇的な、危険な台頭が、共産主義資本主義が西洋の没落に拍車をかけていると断ずるのであります。
我々日本人は、「西洋の没落」を、我々日本人自身の問題として捉えなくてはならないと思うのであります。
日本の歴史をつらつら回顧する時、
7世紀からの中国文明受容、
16世紀の西欧進出への対応、
19世紀のヨーロッパ的近代への適応、
そして第二次大戦に敗北後のアメリカ文化受容、
これには何れも
他の文明の「解釈」を通じて行った
「日本社会」の自己変革でありましょう。
そして、ここ150年、大きく自ら選択した西洋化であります。
明治維新による西洋文明化から150年、
いよいよ日本人も没落の運命に巻き込まれてしまつたようであります。
こんな言葉があります。
「大難が人間にふりかかる時、彼の内なる強健の程度が判明する。
運命が民族を押しつぶす時、民族は、その心の偉大さや凡庸性露呈する。
最大の危険こそ、国民の歴史的品位に関する、いかなる謬見も、もはや許さざるものである」
平成31年4月8日 88歳誕生日
鳥取木鶏会 会長 徳永圀典