410日 禍福 その三

 そこで、人間の事業とか、あるいは政治というものは、非常に難しい。それと同じことで、幸福を願っていると幸福が却って禍になる、禍かと思っておると、それがとんだ幸福を伴う。三国の群雄にしても、悪戦苦闘しておる時に一番意義があり、また本人の真価というか、天分というものを養っておるのでありまして、彼らの成敗利鈍というものは、多く彼等が得意の時に問題を惹起しておる。