厭離(えんり)(あん) 

厭離(えんり)(あん)のゆうべしづけし()のうへの

    釜の(わか)ちもやがて消ゆがに  吉井 勇 

清涼寺から清滝道を西の方へ少し行くと道の右側に立て札があり、ほの暗い竹林を通り枝折戸(しおりど)があった。

藤原定家の小倉山山荘の跡が厭離(えんり)(あん)である。 

厭離(えんり)とは、この世を(いと)い離れるの意がある。この世を穢土(えど)、無常の地と感じそこを離れて浄土を希求するという思想で平安時代仏教の代表的思想である。 

                 岫雲斎圀典