418日 人物中心に

 アミエルはスイスの文学者、その日記は世界的に有名である。文中に「人が有る所のもの」とは、その人となりの意。

日本人の縁組を注意していると可笑しいほど、本人の背景である父母親戚の地位身分資産や本人の学歴知識才能などに偏して、本人がどんな人物であるとかいうことに殆ど顧慮しない。官庁や会社はもちろん教職に人を探る時でさえ、履歴書本位でこれまた一向人物の真価に没交渉である。そして何か異常なるものをもてはやす傾向が強い。   百朝集