423日 貧と感激 その一

 勝海舟の若い時、勉強盛りのときに、オランダ語の勉強をしようと思ったが辞引がない。一冊辞書を見つけたところが馬鹿に高い。やっと金ま工面をして買いに行ったたら、もう他の人が買っておった。そこで、その人を尋ね探して貸してくれと言った処が、余ほど勘定高い人とみえて、「金を払えば貸してやる」というので。海舟はそれを借りて丹念に写した。昔の人は努力したものですね。