嵐山 その一 

新涼(しんりょう)雨風(あめかぜ)晴るるあらし山   青木月斗 

あらし山でもいいし、気取って、らんざん、ここは矢張り天下の景勝。平安時代から貴・紳が多く遊んだ。雪・月・花とも良し、風流の地だ。 

上流は保津川だが、本来は桂川、清滝川との合流地点から渡月橋までの短い間を特に「大堰(おおい)(がわ)」と呼ぶ風流、そこから淀川までは再び桂川。

石清水八幡宮あたりで木津川と合流し淀川へとなる。

泣かせるこの風流。これは千年の都のなせる余裕か。 

              岫雲斎圀典