46日 長所を短所にしない

 人を使う場合にはその短所ばかりを見ていると使えない。処がこれは難しい問題であります。なぜかと申しますと、人の長所・短所というものは別々のものではなくて、長所が短所であり、短所が長所であることが多い。長所と短所であり、短所が長所であることが多い。長所と短所が渾然として一になっている。だから短所をどうして長所にするか、長所をいかに短所にしないか、ということが修養の一つの秘訣であります。

大本が確かでしっかりした人だったら、少しくらいの短所や癖があっても用いて宜しい。そうでないと人材を活かすということはできません。  先哲講座