嵐山 その二
白ばかり小督(こごう)の墓の手(た)向(むけ)菊(きく) 白草 居
大堰(おおい)川(がわ)の左岸に小督(こごう)の墓がある。いつも花が手向けてあるらしい。平家物語に名文があるが長いので掲載しないが嵐山は歴史の名跡である。
いまもなほなつかしとおもふ夕霧の
墓にまうでしかへり路(じ)の雨 吉井 勇
夕霧とは夕霧伊左衛門、江戸時代の作家である。
名高いのは「傾城(けいせい)廓(くるわ)文章」。嵯峨・清涼寺近くで生まれて墓がある。
岫雲斎圀典