米国の中央銀行・連邦準備銀行(FRB)は公的機関私企業

 連邦準備制度理事会(FRB)は、1913年に設立された、アメリカの中央銀行である連邦準備制度の最高意志決定機関で、議長、副議長各1名を含む7名の理事で構成されています。議長・副議長・理事は大統領が上院の助言と同意に基づいて任命しますが、実際の中央銀行業務を行うのは理事会の監督下にある12の地区連邦準備銀行(これもFRB)です。
 そしてアメリカ政府は、その地区連邦準備銀行の株式を1株も所有しておらず、各連邦準備銀行によって管轄される個別金融機関が出資者(株式の所有者)となっている点が特徴です。(日本の中央銀行である日本銀行は日本政府が株式(正確には出資証券)の55パーセントを保有し、残りが公開市場で流通されています。)

安部芳裕氏が著書『金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った 解説。

 ウッドロー・ウィルソン大統領は、就任式の直後に特別会期を招集して、クリスマス休暇でほとんどの議員たちが帰省中に、民主党が提出したオーウェン・グラス法という連邦準備法を可決させ署名しました。そのオーウェン・グラス法案は、以前、民主党が反対していた共和党のオルドリッチ法案と名前以外はほとんど同じという法案でした。しかも、このオーウェン・グラス法案に対し共和党のオルドリッチとヴァンダーリップが激しい非難の声をあげるという茶番劇付きでした。
 ウッドロー・ウィルソンは、晩年になって連邦準備制度設立に加担したことを後悔して、こう言い残しています。
「私はうっかりして、自分の国を滅亡させてしまいました。大きな産業国家は、その国自身のクレジットシステムによって管理されています。私たちのクレジットシステムは一点に集結しました。したがって国家の成長と私たちのすべての活動は、ほんのわずかな人たちの手の中にあります。私たちは文明化した世界においての支配された政治、ほとんど完全に管理された最悪の統治の国に陥ったのです」
 連邦準備制度とは、FRBの実務は連邦諮問評議会が行うことになって、連邦諮問評議会は、12の特権的都市にある連邦準備銀行の役員によって選出されます。
 この12ある地区連邦準備銀行の中で最大なのがニューヨーク連邦準備銀行であり、実質的に米国の金融政策(金利、通貨の数量と価値、及び債権の販売等)は、主にニューヨーク連邦準備銀行により決定されているそうです。
 そのニューヨーク連邦準備銀行設立時の株主は、ナショナル・シティ・バンクやファースト・ナショナル・バンク、ナショナル・バンク・オブ・コマースなどの銀行でしたが、これらの銀行の株主を調べると――

・ロスチャイルド銀行(ロンドン)
・ロスチャイルド銀行(パリ)
・ラザール・フレール(パリ)
・イスラエル・モーゼス・シフ銀行(イタリア)
・ウォーバーグ銀行(アムステルダム)
・ウォーバーグ銀行(ハンブルグ)
・リーマン・ブラザーズ(ニューヨーク)
・クーン・ローブ商会(ニューヨーク)
・ゴールドマン・サックス(ニューヨーク)
・チェース・マンハッタン銀行(ニューヨーク)

 モルガンとロックフェラーのチェース・マンハッタン銀行を除いて、すべてロスチャイルド系投資銀行が株主で、米国政府は1株も保有していないのです

 

1913年 アメリカで連邦準備制度(FRB)が設立される。

FRB
は、1907年の金融危機を教訓として誕生した。危機の再発を防ぐため、ポール・ウォーバーグが銀行改革の必要性について、連日のようにマスコミを通じて主張した。

米国の中央銀行である連邦準備制度の設立に関する経緯を説明すると、まず1910年にJP・モルガンが所有するジョージア州のジキル島で全国通貨委員会の会員による秘密会議が開かれた。この密室会議の出席者は、次のようなメンバーであった。

FRB設立のための秘密会議のメンバー】

このメンバーの中で、中央銀行の設立に関与したことがあったのは、ポール・ウォーバーグだけだったので、実務はほとんど彼一人で受け持ったということである。

米国では中央銀行に批判的な意見が多かったので、ポール・ウォーバーグは中央銀行という名称を避けるように提言し、、連邦準備制度という名称に決定した.

連邦準備制度をつくる法案は、共和党のネルソン・オルドリッチが議会に提出したが、オルドリッチ法案は民主党から激しい反対を受ける。
その議論を続けている間に、なんと共和党が野党に転落してしまった。
そこで、民主党の大統領候補者ウッドロー・ウィルソンに白羽の矢が立つ。

1912年の大統領選挙では、現職で人気者のウィリアム・タフト(共和党)が再選確実とされていた。そこへ人気者の元大統領セオドア・ルーズベルトが、共和党を離れ、革新党を結成して立候補する。その結果、共和党内で表が割れて、ウィルソンが地滑り的勝利を収めた.

この時、ウッドロー・ウィルソンを支援していたのが、ポール・ウォーバーグとジェイコブ・シフであった。ウィリアム・タフトを支援していたのが、フェリックス・ウォーバーグ。フェリックスはポール・ウォーバーグの従兄弟である。そして、セオドア・ルーズベルトを支援していたのが、オットー・カーン。ポール・ウォーバーグ、ジェイコブ・シフ、フェリックス・ウォーバーグ、オットー・カーン、実はこの4人、全員がクーン・ローブ商会の共同経営者である。
 この、民間銀行が所有する中央銀行が、どのようなことを行っているか?

 

 

 1964年に開かれた下院銀行通貨委員会の公聴会でのライト・パットマン議員の証言を見てみましょう。

1ドルは連邦準備制度に対する1ドルの負債を表している。連邦準備銀行は無から通貨を創造し、合衆国財務省から政府債権を購入する。利子の付いた流通資金を合衆国財務省に貸し出し、合衆国財務省に対する小切手貸付けと帳簿に記帳するのである。財務省は10億ドルの利付債の記帳を行う。連邦準備銀行は財務省に対して債権の代価の10億ドルの信用を与える。こうして10億ドルの債務を無から創造するのだが、それに対してアメリカ国民は利息を支払う義務を負うことになるのである」

 もう少し解説を加えます。
 ドルというお金は、実は、米国債を担保にニューヨーク連邦準備銀行が政府に貸し付けた債権なのです。
 連邦準備銀行は、口座に数字を記入するだけでからお金を創造します
 米国民は、連銀がから創造したお金に対して利息を支払う義務を負います。
 現在では、平均労働収入の約35%が連邦所得税として徴収されています。1981年にレーガン政権が調査した結果では、連邦の個人所得の税収760億ドルが、全額FRBへの利子の支払いに充てられていたということです。
 それだけでも酷い詐欺行為なのに、さらに酷いことに、米国には連邦所得税を納付しなければならないという法律は存在していないのです。法的根拠もないのに所得税を取られ、それが連邦準備銀行へ流れるという、壮大な搾取システムになっているのです。
 そもそも合衆国憲法第1885項には「合衆国議会のみが通貨発行権を有する」と明記されており、FRBの存在そのものが憲法に違反しているとも指摘されています。
一説によると、ケネディ大統領が暗殺されたのは、政府紙幣を発行して通貨発行権を合衆国に取り戻そうとしたのが大きな原因とされています。)

 米国随従を「保守」と称する日本は、戦後その米国債を買い続けており、そのための資金は国民の税金でまかなわれている、という構図を私たちは知っておくべきでしょう。

国の中央銀行である連邦準備制度(FRB)は、民間が所有する銀行である


制度全体の真の支配者はニューヨーク連邦準備銀行の株主

 12の連邦準備銀行の本源はニューヨーク連邦準備銀行である。12地区の連邦準備銀行の株式は、それぞれ地区の国法銀行が購入した。ニューヨーク連邦準備銀行が金利を設定し公開市場操作を指揮することによって合衆国の通貨の日々の供給と価格をコントロールしたので、制度全体の真の支配者はニューヨーク連邦準備銀行の株主である。

 ニューヨーク連邦準備銀行は20万3053株を発行し、大手のニューヨーク市の銀行が発行株式の過半数を取得した。

 ロックフェラーとクーン・ローブが支配するナショナル・シティ・バンクは3万株で、他の銀行と比較して最大の株数を取得した。さらにJ・P・モルガンのファースト・ナショナル・バンクは1万5000株を取得した。この2つの銀行が1955年に合併したとき、単独でニューヨーク連邦準備銀行の4分の1近くを所有し、制度全体をコントロールした。そしてこのことにより、連邦準備制度理事会の議長には、ポール・ヴォルカーであろうとだれであろうと、彼らが適すると思う者を指名することができるようになった。

 チェース・ナショナル・バンクは6000株を取得した。のちのマリーン・ミッドランド・バンクであるマリーン・ナショナル・バンク・オブ・バッファローは6000株を取得した。ニューヨーク市のナショナル・バンク・オブ・コマースは2万1000株を取得した。

 ニューヨーク連邦準備銀行の株式を所有するこれらの銀行の株主たちは、1914年以来われわれの政治的および経済的運命をコントロールしてきた人びとであり、彼らは、ヨーロッパのロスチャイルド家、ラザール・フレール、クーン・ローブ商会、ウォーバーグ商会、リーマン・ブラザーズ、ゴールドマンサックス、ロックフェラー一族、そしてJ・P・モルガン財閥であった。

『ニューヨーク連邦準備銀行』の株を所有するこれらの銀行の株主は次のとおり。
ロスチャイルド銀行・ロンドン
ロスチャイルド銀行・ベルリン
ラザール・フレール・パリ
イスラエル・モーゼス・シフ銀行・イタリア
ウォーバーグ銀行・アムステルダム
ウォーバーグ銀行・ハンブルク
リーマン・ブラザーズ・ニューヨーク
クーン・ローブ銀行・ニューヨーク
ゴールドマン・サックス・ニューヨーク
チェース・マンハッタン銀行・ニューヨーク

 これらの同業者連は近年になって合併したり統合したので、コントロールはさらに集中している

 その他の11の連邦準備地区では、同一の株主がこれらの銀行の株式を間接的に所有するか、もしくは支配している。その他の株式はそれらの地区の主要産業を所有または支配している主要一族によって所有されている。

 以上のように、『ニューヨーク連邦準備銀行』は欧米の銀行家が株式の100%を保有していて、アメリカ政府はただの1株も保有していない。

ドル紙幣はアメリカ政府の借金が担保

 1ドルは連邦準備制度に対する1ドルの負債をあらわしている。連邦準備銀行は無から通貨を創造し、合衆国財務省から政府債券を購入する。利子の付いた流通資金を合衆国財務省に貸し出し、合衆国財務省に対する小切手貸付と帳簿に記帳するのである。財務省は10億ドルの利付債の記帳を行う。連邦準備銀行は財務省に対して債券の代価の10億ドルの信用を与える。こうして10億ドルの債務を無から創造するのだが、それに対してアメリカ国民は利息を支払う義務を負うことになるのである。

以上
民間が所有する中央銀行
ユースタス・マリンズ著(
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4880660051)より抜粋

 ドル紙幣はアメリカ政府が発行する債券(国債)を担保にニューヨーク連銀が政府に貸し付けた債権証書だと理解すれば、政府経由でドルが流通すれば、国債の利率分、また銀行経由ならば公定歩合分が連邦準備制度理事会(FRB)の利益になることが分かる。

ドル紙幣がnotes だとか billdraftと呼ばれる理由だ。

 そして皆さんが、この発券銀行のオーナー(大株主)なら何を考える。実際のオーナーは欧米の金融資本家だ。ドル紙幣は債権証書である。印刷機が壊れるぐらいドル紙幣を刷ることが得策と考えぬか。しかしながら、市場の需要が無い中に過剰に資金を供給するなら、ジンバブエのように超インフレ状態になる。そうしないために需要を創出するのだ。例えば土地、建物等不動産には青天井の価値があるとか、金融工学なるものを駆使し、あたかも価値があるように無から価値を創出する。そして創出された価値分の紙幣を供給する。これが私が理解している金融資本主義の基本的仕組みだ。

 そして現在、土地建物をベースとした土地バブルがはじけ、金融派生商品をベースとしたデリィバティブバブルもはじけようとしている。バブルがはじけるのは当然のことである。意図して本来の価値以上の価値を創出する営みこそが昨今の金融資本主義なのだから・・・。そして私は前述のバブルの後、欧米の金融資本家は「空気に価値をつける」事を画策したのではないかと疑っている。二酸化炭素排出権取引と呼ばれるものだ。キャプ&トレードにより、アフリカの空気を買占め、二酸化炭素を多く排出する国に売りつける。当然仲介手数料もとるだろう。そして決済は、彼らがオーナーである発券銀行が発行する紙幣・・・。一石二鳥どころか一石五鳥ぐらいの仕組みだ。つくづく資本主義を発明した連中は頭がいいと思う。

 さて、今後彼らが意図するように世界が動くのか、ネット、twitterといった新しい情報発信共有の仕組みがそれを阻止するのか?結果は未来人しか分からぬが、皆さんはどう思われる?