三船(みふね)祭(まつり)
十(じゅう)六歌仙(ろくかせん)に女(め)も侍(はべ)り茶など点(た)つけふ
ある素朴の船の風流 桂静子
平安の時代、公(きん)達(だち)が龍頭(りゅうとう)鷁首(げきしゅ)の船を浮かべて詩歌管絃に興じた大堰(おおいがわ)川。
五月の第三日曜日の御船祭、嵐山、京の都ならではの祭りである。車(くるま)折(ざき)神社の祭りだ。
船から三千本ほどの扇子を流し、扇流しの風流、五色の幕に飾られた色とりどりの船、御神酒(おみき)に快い酔い、まさに王朝絵巻が繰り広げられる。 千年の京、面目躍如たるものあり、これが日本なり。
岫雲斎圀典