世界のどこにも「正しい歴史認識」などない     幼稚幼稚幼稚な 
             幼稚な韓国大統領
               
2013.5.11 サンケイ抄

 寝て起きたら、1ドルは100円を超えていた。忘れもしない野田佳彦首相(当時)が党首討論で、安倍晋三自民党総裁に「衆院を解散してもいい」と宣言した昨年11月14日は79円台だった。それから6カ月足らずで100円を突破すると予想した「経済のプロ」はほとんどいなかった。

 ▼株高は円安よりも劇的に進み、きのうの日経平均株価は「解散宣言」日から70%もあがっている。自民党が野党時代には大胆な金融緩和に批判的だったどこかの経済紙が、いつのまにか熱心にアベノミクスの旗を振っているのはご愛嬌だが。

 ▼落ちぶれかけた一家が当主交代で再び隆盛になり始めると、隣人は面白くないらしい。アベノミクスによる円安を中国と韓国はそろって批判しているが、難癖をつける材料としてまたもや「靖国」と「歴史認識」を持ち出してきた。

 ▼韓国の朴槿恵大統領は、オバマ米大統領に「北東アジアの平和のためには日本が正しい歴史認識を持たねばならない」と訴えた。才媛の誉れ高い彼女だが、世界のどこにも「正しい歴史認識」などなく、国や民族ごとに「自分たちが正しいと思っている」歴史認識しかないのが、おわかりでないらしい。

 ▼しかも米議会の演説でも日本批判のくだりを挿入する念の入れようである。最近の日韓関係の悪化は、昨年8月に前任者の李明博大統領が、竹島に強行上陸したことがきっかけだったのをすっかりお忘れのようである。

 ▼人を呪わば穴二つ。朴大統領とともに訪米中だった報道官は、「不適切な行為をした」という前代未聞の理由で更迭された。在米大使館の実習生にセクハラ行為をしたのだという。隣人の悪口をあれこれ言う前に、身内をしっかりしつけるのがリーダーのイロハである。