「岫雲斎は東北大好き人間じゃ」 

5月、さつき、最高に美しい日本の春、中でも東北は、私の最も好む、純粋日本が残っている地域と、こよなく東北を愛してきたので、無念残念である。 

宮古の高台にある素敵な浄土ヶ浜パークホテル、何度も宿泊し、素晴らしい海岸美やら、付近を散策をしたり、また田老地区から、ドライブで山崎断崖、鵜の巣断崖、また竜泉洞の滾々と湧き出る水を嗜んだりした。素敵な風景のあの地域が・・・。 

通り抜けたあの田老地区、大被害の様子やら浄土ヶ浜の惨害が頭から離れない。 

三陸鉄道の久慈まで素晴らしい海岸線であった、過去にこのような大地震と大津波の結果の景観であったかと思うと、やるせない思いである。 

岩木山、岩手山、八幡平、姫神山、(はや)()()八甲田山、何れも素晴らしい山岳だ。夫々の思い出は語り尽きることはないくらい一杯ある。

岩手の一位の木、石割り桜、岩手山山麓のホテルから急遽岩手山登山に切り替えたハプニング。 

日本海側の鳥海山、月山から湯殿山への縦走、初めて参拝した湯殿山神社のこと、山形は蔵王岳の色々、露天風呂などなど無数に楽しませて頂いた。 

美しい象潟も、やはり震災の結果だと思うと悲しいものがある。五能線の鄙びた列車でぐるーと十二湖を眺めつつ、あの海岸沿いの露天風呂、深浦から五所川原のリンゴ園、弘前城の桜、嶽温泉と山菜料理の旨かったこと・・・。 

奥入瀬渓谷の感動は何回味わったことであろうか。

十和田湖、岩洞湖の清冽な水、そして、至る所にある本物の温泉・・・。

十和田湖の錦秋の感動、湖畔で買った桂の苗木は今やわが家の庭の大木になっている。

雪の八甲田山は、大きな雪渓であった、今なら考えられないような登山をしたものだ。

そして、猿倉温泉、酸ヶ湯温泉、蔦温泉、後生掛温泉、繋温泉、猿倉の宿で頂いた、あの天下一品の「濁り酒」、奥入瀬渓谷の宿、・・・・。数え切れない東北の思い出・・・。 

福島は、目だたないがとても人情のいい地だと思っていた。あの花見山の美しい花の風景も頭に焼き付いている。磐梯山の五色沼などなど。思い出は一杯沸いてくる。 

宮城県のあの多賀城祉、歌枕の歌碑、松島の瑞巌寺、五浦の海岸の松林、伊達正宗の仙台城の重厚さ、仙台駅前の大きな欅の街路樹、プラザホテルに財布を忘れて駅からタクシー飛ばして大慌てのハプニング。 

蔵王温泉の森林の中のあの露天風呂、東北は素敵な地域だ、気の毒な大震災、早く安心して住めるようになって欲しいとひたすら日々祈願している。 

もう私の年では、再び遠征することも有りそうもない。 

東北、美しい思い出を想起しつつ、一日も早い復興を切に祈っている。 

岫雲斎は東北大好き人間なのじゃ。

          平成2351

                 岫雲斎