今月の言葉「祖国愛と愛国心」 

グローバリズムとボーダレス社会

日本だけではないが、世界の一様化が進んでいる。日本には想像以上の外国人が定着している。

一様化は経済繁栄には大変便利で都合がいい。だが、ずーと同じ場所に住んでいる人間にとっては実に味気ないばかりか存在の恐怖さえ感じる。

色んな花や樹木や動植物がその地に相応しく美しいように、各民族は、余程しっかりして自らのアイデンティティを確立しておかなくては根無し草となり世界一様化の中に埋没して民族は消滅してしまう。

国で言えば、アイデンティティとは「祖国」であり「祖国愛」。祖国の文化、伝統、自然などを、こよなく愛するという意味で愛国心に近いが、愛国心は歴史的経緯もあり、偏狭なナショナリズムを含む場合もあるらしいので、私は「祖国愛」という言葉を使うことにしている。

英語では、ナショナリズムとは、「自国の国益ばかりを追求する主義」を言う。

祖国愛は、パトリオティズムでありナショナリズムと峻別されている事を銘記しておいた方がよい。

一般国民は、ナショナリズムは不必要、だが、祖国愛は絶対に不可欠である。日本語に、この二つの言葉を峻別しなかった為、戦後、極めて遺憾なことだが、二つとも廃棄されたような社会となった。悔やまれてならない、日本の現在の政治、経済、外交などに見る困難の大半は、祖国愛の欠如に起因する。

国際社会でも、日本人としてのルーツを確っかり備えている日本人が、最も輝き且つ歓迎されている。

根無し草は外国人も評価しないことを多くの人々に知って貰いたいと思う。

                  徳永圀典