5月13日 人生が本当にわかって来た時 その一

 ある朝、今まで何やら分けが分からず闇の中に蠢いていたものが、だんだんわかるような気がして来た時でありました。私はふと、「暁」という字を思い出すと共に、この字を、あきらか、と読み、さとる、と読んだ、古人の心がしみじみわかるような気が致しました。あきらか、という字は外にも沢山ありますが、暁のあきらかは、夜の闇が白々と明けるにつれて静寂の中に物のあやめ・けじめが見えてくる、物のすがたがはっきり見えてくるという意味で、言い換えれば、それだけ物事がわかるということであります。