52日 滞らない

 「それ志は当に高遠(こうえん)を存し」――志、人間の理想、目的というものはできるだけ高く、できるだけ遠く、高遠でなければならない。目先ではいけない。低くてはいけない。「先賢(せんけん)を慕い、情欲を絶ち」――先賢は先輩の賢者。肉欲・物欲というものをできるだけ整理し、捨てて、「凝滞(ぎょうたい)を棄つべし」――凝滞は()(とどこお)ること。人間は凝滞をするといけない。水でも凝滞すると腐る。血液でも凝滞したら大変だ。色々の病気が続出する。呼吸も凝滞したら大変だ。色々の病気が続出する。呼吸も凝滞、跌滞(てったい)したら呼吸困難になって死んでしまう。円通(えんつう)と言って(まど)かに通じなければいけない。           知命と立命