中年期の人間造り

孔子は「四十にして惑わず、五十にして天命を知る」

と言った。安岡先生も、親から自立してから四十歳

までに大切な自分造りは、「仕事と家庭」にあるとさ

れた。

仕事は、それを通して生活費を得て家庭生活を送る基

本となる。だが仕事を通じて社会のため、人のために

役立つという大切な意義がある。いい年して、親や祖

父の年金を充てにするなど、情けないことである。自

立、独立心の欠如の最たるものだ。人間としての気概

を喪失した証拠である。あの無責任経営者・JR北海

道の社長のような面と同様だ。

家庭生活、夫婦円満が第一の基本である。生活態度や

食生活では、弊害の多い欧米的なものとか加工食品で

なく、日本的なものとか素材により食事を取るべきな

のである。人間生活の原型に戻る必要がある。そこに

自分造りを見出してもいいのだ。