乱世に生きる道 

一、禍が福か、福が禍か、人間の私心でわかるものではありません。長い目で見て、正義を守り、陰徳を積みましょう。

二、窮困(きゅうこん)に処するほど快活にしましょう。窮すれば通ずる、又通ぜしめるのが(えき)(造化(ぞうか))、宇宙・人生の真理であり教であります。

三、乱世には余裕が大切です。余裕は心を養うことより生じます。風雅(ふうが)もこの(ところ)にあるものです。

四、世俗の(まじわり)は心を痛めることが少なくありません。()(しん)の交を持ちましょう。 
        
「素心」とは利害や意見やそういう様々な世間の色に染まらぬ、生地のままの純白な
心を素 心といいます。何の目的も打算もなく、最も気安く清浄につきあえるのが素心の交です。

五、世事に忙しい間にも、寸暇を(ぬす)んで書を読み、道を学びましょう。 

             

                安岡正篤先生の言葉