評論家はみな甘い 

終戦後、日本の評論家はみな甘くなり、悪いことを悪いと言わず、また善いことも善いとして勧めもしません。

誠にどうも不得要領で、従って真っ直ぐなことを言う人がおると嫌がります。 

そこで真っ直ぐなことを言う人は愛想をつかして隠れてしまいます。 

また官庁などでも重要な場所ほど、余りテキパキとやる人間、或は敵があるような人間を避けて、なるべくあたり障りのない人間、自由に使える人間を役につける傾向があります。 

これは大きな間違いであるばかりでなく、それによって生ずる弊害は量り知れぬものがあります。

               平成20年5月21日
                  
                    安岡正篤先生の言葉