人生の必要な見識

近年、日本人の70才以下の老、壮、或いは青年を見て、我々老人には鬱積したものが累積している。我々は、「長幼の序」で育った。処が戦後は人権平等とやらで、年長者も対等に扱う態度である。長幼の序は人間にとり決して疎かにしてはならない徳義で、社会の潤滑油となり得る。人間の平等は、人格が平等ということであり、年長者に対等で向き合うのはいかがわしいことだ。

安岡先生は、混迷し呻吟する現代を生きる上の知恵として呻吟語から「見識」を七つ引用された。