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「人情識」-感情と知性の調和
人情は、人への愛情、情け、思いやりと言う意味に用いられるが、本義は「人間として自然に備わっている心の動き」のことだとされた。先生は、人間は単なる知性の存在ではない、非常に複雑な感情、即ち人情を保有しているとされた。その感情の本質を理解することが「人情の識」である。
これは人生経験を積まないと分からないものだが、人情という感情と知性を、どのように調和させるかである。そこから生きる知恵が生まれる。
人情と長幼の序は決して相反するものではない、むしろ人間知の有効活用に資するものがある。