平等院その二 

定朝(じょうちょう)御仏(みほとけ)のごと黄金を

   再び胸に塗るよしもがな  与謝野晶子 

鳳凰堂の本尊は阿弥陀如来、藤原時代の名人・定朝(じょうちょう)の代表作である。

まことに円満、光々しく美しい。(わき)()のいない独坐の像である。豊な頬、長く垂れた耳、いかにも具足円満の相である。 

訪ねたのは半世紀前の大昔となった。

               岫雲斎