国に矜持を持つ人間

明治時代、福沢諭吉の言葉がある「一身独立して一国独立す」である。国民が一人一人真っ当な自尊心を持っておれば物事を積極的に進められる。自尊心の欠けた人間は定見がなく、自分に自信が無いから他人の顔色ばかり窺い付和雷同し周囲に流される。

国家でも自信がある国は、国家の難問とか国難に積極的に立ち向かう。

このような観点でみると、戦後の日本、日本人は他国の顔色ばかり窺っているように見える。国家の安全をアメリカに依存しているという根本精神が腐っているから戦後人は自尊心を喪失している。

セルフヘルプ、自助の精神は、本来は日本伝来のものである。

敗戦し進駐軍のウォーギルトインフォーメイションプログラムにより日本精神を抹殺された所以が大きな後遺症として自尊心無き日本そして日本人を作っているのである。

アメリカ、そしてロシア、中国の顔色ばかりうかがうばかりの国家となったから、世界中から舐められて脅されて金をとられる「お人よし日本」なのである。

 

日本は災害の国、古来より大地震、大津波と人間による災害でなく大天災により一つの諦念が生まれていたと思われる。天災は人災と異なり恨んでも致し方なく諦めるしかない。人災では恨みを残し韓国に見る如く千年の恨を残す。

だから日本人は天災とか災害の対し諦めが早く、先ず自分なりの努力をしたのである。それが自助の精神であり、自助する人には同情し助け合いをしてきたのである。それが、苦しい時はお互い様であり、協力し合ってこの災害列島で生き抜いてきた。それが「向こう三軒両隣り」であろう。

 

考えてみれば、天災の多い国、資源のない国土で一億三千万人の人口、そして世界に冠たる先進工業、先端産業、治安抜群、奥深い伝統と文化、世界一長く継続している皇室と国家に「徳」がある。

これは、日本人が力強く、自助の精神で、誇り高く生きてきたからです。

 

幕末、白人の襲来にも負けず一気に近代化を成し遂げたのも、自助の精神で国民一人一人が作りあげたといえる。

 

自尊心、国に矜持を持つ人間になることが今こそ肝要なのであります。

自尊心ある国家にしなくてはなりません。

それには自助の精神です。

 

        平成3057

 

 鳥取木鶏会 会長 徳永圀典