宇治
宇治川の瀬々(せぜ)のしき浪(なみ)しくしくに
妹に心は乗りにけるかも 柿本人麻呂
ここは平家物語、佐々木高綱の宇治川先陣争いに強い強い、思い出がある。
それと、宇治橋の袂の茶団子の美味しいことよ。
源氏物語の宇治十帖に「浮舟」の巻にある。
――山の方は霞隔てて寒き洲崎に立てるかささぎの姿も、処がらいとをかしふに見ゆるに、宇治橋の遥々と見渡さるるに柴積み船の所々に行きちがひたるなど、ほかにては目馴れぬ事どものみ取り集めたる所。
岫雲斎