5月9日 隠徳を積め

 常に心懸けた隠徳を積むべし。隠徳とは善事をなしてその善を人の知らんことを求めざるをいう。貧窮を救い、()(かん)を憐み、老人を助け、病人をいたわり、生きるものを殺さず、(よろず)慈悲を心の根とすれば、自然に天道の冥加(みょうが)にかないて、(いえ)長久(ちょうきゅう)なるべし。

        平尾厚康の訓 出石藩の尊徳