鳥取木鶏会 5月レジメ 

呻吟語(しんぎんご)を読む」から見る心身鍛錬法 

人生の心得八ヵ条 

一、「奮始怠(ふんしたい)(しゅう)は修業の賊なり」

      初心を最後まで貫徹する。

二、「(そう)(しん)浮気(ふき)(ちく)(とく)の賊なり」

      やろうと思ったら集中せよ。

三、「疾言(しつげんれい)(しょく)(しょ)(しゅう)の賊なり」

      憎しみ、怒りの心を捨てよ。

四、「大事(だいじ)難事(なんじ)には担当を()る」 
   
            大きな難題に立向かう時、真の能力が表れる。



五、「逆境(ぎゃっきょう)(じゅんきょう)には襟度(きんど)()る」
            人生の順調、不調の時こそ、真の人格が表れる。


六、「臨喜(りんき)臨怒(りんど)には涵養を看る」
            喜びや怒りの感情は思いのまま表しても、その心の奥は感情に囚われない。

七、「(ぐん)(こう)群止(ぐんし)には(しっ)(けん)を看る」
       組織による行動、個人の行動には判断力が問われる。

八、「精神(せいしん)爽奮(そうふん)すれば、(すなわ)百廃倶(ひゃくはいとも)(おこ)る。肢体(したい)怠弛(たいち)すれば、則ち百興倶(ひゃくこうとも)(すた)る」
       やるぞ! と気持ちを切り替えよ。       

益者三友と損者三友 小学から

 

益になる三種類の友達がある。徳を損ずる三種類の友達がある。 

益者三友

正直な人を友とし、誠のある人を友とし、諒は諒解の諒で、うん、もっともだとうなづける誠。

見聞の広い人を友とする。自分の知らない色々の見聞に長じておっても、珍しい話を聞かせてくれる友達は実に楽しいものであります。 

損者三友

反対に所謂、世慣れた人を友とし、便辟(べんへき)は便利・利益本位、或は避に同じで、厄介なことは避けて相槌をうつ、調子を合わせる意。気軽に調子を合わせてゆく誠意や、実意のないことを便辟(べんへき)というのであります。また善であるけれども、ぐにゃぐにゃして事勿れ主義の人を友とし、調子を合わせて媚びる人を友とする。