五月の安岡正篤先生のことば 

絶えざる維新

 菜根譚に「(こと)(きわ)まり、勢蹙(ちぢ)まるの士は(まさ)に其の初心を(たづ)ぬべし。

功成り、(ぎょう)()つるの士はその晩節を()るを要す」とある。


 その人生の行路(こうろ)が行き詰ってしまって、勢も(ちぢ)まり、意気があがらず、

どうにもこうにもぺしゃんこになってしまったときは、そこでへこたれず、

必ず元気であった初心を(たづ)ねよ。そうすれば新しくまた出直すことが出来る。 

「功成り、(ぎょう)()つるの士」はその末路を考えなければならぬ。
 こゝでやれやれなんて思うと、老いこんでしまったり、

あるいは有頂天になって(ゆる)んでしまう。

その時は、どうしたら晩節を全うすることが出来るかと思索せよ。
 これが易を学ぶということだ。               (活眼活学)