機略(きりゃく)と機鋒(きほう)
この機を捕えて活眼を開かせる手段を機略(きりゃく)と言い、 その鋭さを機鋒(きほう)という。禅家が得意とする所である。
「禅僧の法門は、教家(きょうか)の如く習ひ伝えたる法門を胸の中に蓄え、 紙の上に書き付けて、展転(てんてん)して人に授け与うることなし。
ただ機に対する時、直下(ちょっか)に指示するのみなり。 これを覿面(てきめん)提示(ていじ)と名づく。 撃(げき)石火(せつか)・閃(せん)電光(でんこう) にたとえたり。その蹤(あと)を求むべからず」
とはよく言い表している。禅の祖師達は大抵易を学ばぬはない。
安岡正篤先生の言葉