まともな日本人になることだ! 

桜井よし子氏の新著「異形の大国・中国」の冒頭序文の末尾に簡潔にして要を得た指摘がある。 

日頃の私の主張と全く同じでありここにご披露する。

是非共、「全き国・日本国」となる為に一読を強く勧奨する。 

平成20年6月1日

        徳永日本学研究所 代表 徳永圀典 

桜井よし子氏「異形の大国・中国」 新潮社 

冒頭序論末尾から引用する。 

「・・・パックスシニカの時代に突入するかに見える21世紀、日本がなすべきことは明らかである。

自らの力をつけるしかないのだ。

日本が中国にも米国にも物が言えないのは、安全保障を米国に頼り、ついでに外交においても、米国の意向を忖度(そんたく)しながら後追いすることを、長年、続けてきたからだ。 

安全保障も外交も他国に大きく依存する国が、他国と対等に対峙し、まともにわたり合うことは出来ない。 

真の意味で独立国でない国家は、どの国にも相手にされないのである。

であれば、日本は真の意味で独立国にならなければならない。「(まった)き国家」にならなければならない。

そのために、日本国を構成する私たち日本人には、やり遂げなければならない課題がある。 

一言で言えば、「まともな日本人になることだ」。 

振りかえって見れば、戦後の私たち日本人は、

余りにも「祖国日本」についての知識や理解を欠いてきた。 

祖国の歴史や価値観に背を向ける教育のなかで、「まともな日本人」が(はぐく)まれるはずがない。 

「日本歴史」を学び、「日本の文明」を育んだ「価値観」を()ったとき、初めて、私たち「日本人としての自覚」を持つことが出来る。 

一人一人が日本人としての力をつけるとき、戦後、長きにわたって国家ではなかった日本に国家としての意識が生まれるだろう。 

国家としての意識があって初めて、「日本の再生」が可能になる。 

再生を果した日本の前に、どんな問題が出来(しゅったい)しようとも、日本と日本人は自らの力で問題を解決することが出来るのである。 

異形(いぎょう)の大国の脅威にも、同盟国の方針転換にも、動じる必要のない「賢く(つよ)い国家」になれるのである。 

だからこそ、いま、日本人が日本人となり、日本国が国家となることが重要なのだ。        完