膽識(たんしき)がなければ大事を為すことは出来ない。
「書生・政(まつりごと)を為すは俗吏(ぞくり)に及ばず。
猶(な)ほ医師方書を研究するも、その病を治すに至っては、草医(そうい)に劣るが如し。
大抵、理を窮むること太(はなは)だ精(くわ)しく、心を用ふること太(はなは)だ蜜なる者は、行事必ず不活動なり。
気に任せて敢行するの得たるに如(し)かず。
故に大事を作(な)すは、膽(たん)を以て主と為す。識之(しきこれ)に次ぐ。」