時には文学を その四
時には文学に触れて心を癒したいと思う。
平成27年6月
1日 |
白氏文集
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平易な表現で美しい詩歌に溢れて明快に世情をうたい平安時代の人々に広く読まれていた。 唐の詩人・白居易の詩文集である。 |
2日 | 遺愛寺の鐘の音 |
この中にうたわれているのが |
3日 | 平安文学の最高峰、 源氏物語 |
上述のようなスタイルで平安文学の最高峰、源氏物語に言及してみたい。 |
4日 | 七十年間に及ぶ長編物語 |
五十四帖からなる七十年間に及ぶ長編物語、登場人物は四百人を越え、その複雑な人間関係は貴族社会を背景にして展開されている。 |
5日 | 世界的に第一級の古典 |
平安朝はなやかな宮廷を舞台にしてくり広げられる貴族社会の物語。「もののあはれ」の文学として後世に与えた影響は大きい。心理描写にも優れており世界的に第一級の古典とされている。 |
6日 | 荒筋 1桐壺--33藤裏葉 |
1「桐壺」――33「藤裏葉」 光源氏の誕生から四十才までの前半生が死別したた母の面影を宿す義母・藤壺の更衣への慕情を軸にして何人かの女性との交渉を通して語られている。 |
7日 | 若菜上--41幻 |
34「若菜上」――41「幻」 |
8日 | 42匂宮--夢浮橋 |
42「匂宮」――54「夢浮橋」 源氏の子の薫の君が、宇治の姫君たちとの実らぬ恋に悩むさまが描かれている。宇治を舞台に繰り広げられる悲恋物語で「宇治十帖」とも呼ばれる。 |
9日 | 壺の書き出し |
桐壺の書き出しのみ述べることとする。 いづれの御時にか。女御・更衣あまたさぶらひ給ひけるなかに、いと、やむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めき給ふありけり。 はじめより、「われは」と、思ひあがり給へる御かたがた、めざましき者におとしめそねみたまふ。 |
10日 |
おなじ程、それより下の更衣たちは、まして、安からず。あさゆふの宮づかへにつけても、人の心をのみ動かし、恨みを負ふつもりにやありけむ。いと、あつしくなりゆき、もの心ぼそげに里がちなるを、いよいよ「あかずあはれなるもの」に思ほして、人の謗りをも、えはばからせ給はず、世の例にもなりぬべき御もてなしなり。 |
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11日 | この調べの素晴らしさ |
えも言われぬこの調べ、日本人の優しさに思いをはせる。それに比して現代人の感性の無さ、荒々しさ、物は溢れても嘆かわしい言葉の現代語は卑しいということになる。 |
12日 | 口語訳 |
ゆっくりと、一通りに口語訳をものしてみる。 どの帝の御代であったか。帝のおそば近くにお仕えする女御や、女御の下で帝に仕える女官の更衣たちが大勢いる中に、それほど高い身分ではなかったが、たいそう帝のお気に入られたお方に桐壺の更衣があった。 |
13日 |
宮仕えの初めから「自分こそは帝のお気に入りになる」と思い上がっていらっしゃる方々は、桐壺の更衣を気に食わない者にして、さげすんだり、ねたんだりなさる。この方と同じくらいの身分の更衣、またそれより低い身分の更衣たちは、なおさら心が穏やかではない。 |
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14日 |
この桐壺の更衣は、朝夕の宮仕えにつけても、仲間への気配りが増え、恨みを受けることが積もり積もったからであろうか、すっかり病弱になって、心細そうな様子で実家に帰っていることが多いのを、帝は、いっそう「ふびんで、いとしい者」とお思いになり人々の非難をもはばかられず、世間の噂にもなりかねないほどのかわいがりようであった。 |
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15日 | 優雅な平安時代の様子 |
ここらで、平安時代の生活感というか、遊びというか、優雅な平安時代の様子を見てみたい。 |
16日 | 1000年前の世界的に見ても当時の最高水準 |
管弦を愛し、舞楽を楽しみ、絵画を画く、などなど芸術的な娯楽を楽しんでいた。和歌も読み、物語を読むなど文学的遊び、鷹狩りとか蹴鞠のスポーツ、桜狩りや紅葉狩りなど野外の娯楽、室内では、碁や双六、行事に伴う寺社詣での楽しみ。1000年前の世界的に見ても当時の最高水準のものであったと確信する。源氏物語がそれを如実に語っていよう。 |
17日 | 「管弦」 |
どのような娯楽か調べてみた。 |
18日 | 「蹴鞠」 |
「蹴鞠」 |
19日 | 「双六」 |
「双六」 |
20日 | 「碁」 |
「碁」 |
21日 | 「絵合」 |
物合せの一、左右二組に分かれて判者を決め、互いに持ち寄った絵を出し合い優劣を競う遊び。絵も貴族の教養の一つである。絵に和歌を添えて出す「歌絵合せ」の形もあったという。高尚で優雅、この頃の西洋ばどうであったのか。日本の方が文明的であったのだ。 |
22日 | 「貝合せ」 |
「貝合せ」 |
23日 | 「鶏合せ」 |
日本書紀にも見られるらしい古い遊び。鶏の雄を闘わせて楽しむが庶民も楽しんでいた。 |
24日 | 「若菜摘み」 |
「若菜摘み」 |
25日 | 「読書」 |
姫君が物語の絵をみながら、視覚と聴覚とで内容を鑑賞して読むものであった。 |
26日 |
「物詣」 |
神社や寺院に参詣することだが野外に出て自然に接する楽しみが強く、遊興行楽の気分が多かったという。 |
27日 |
庶民の遊び |
民間舞楽に「田楽」、双六、闘鶏、相撲、指引き、首引き、耳引き、目比即ち、にらめっこ、将棋などが絵巻などからよめる。子供らは、伏籠で雀を捕らえてる。 |
28日 |
子供たちは、伏絵巻から知られる。子供達は伏籠で雀を捕らえたり、笹竹にまたがって走る竹馬や早走りなどの遊びをしたと言う。首引きとは相対する人が首にそれぞれ布を巻いて引き合うのである。 |
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29日 | 指引きは、指を互いに引っ張り合う、又は、手ぬぐいなどを指にからませて引っ張り合う。 | |
30日 |