610日 教育の眼目

 「平生、躬行(きゅうこう)正しと申す内にも」-躬行正しいというのは、体で正しく実行するということ。「生まれつき窮屈(へん)()なる人」-偏屈な人のことですね。偏屈な人は、人の師には致し難しというのです。

「人の子を教育するのは、菊好きの菊を作るようにはすまじく」百姓が菜っ葉大根を作るようにするのだと言って、さらに「百姓の菜大根を作るには一本一株も大切にし、上出来も、へぼも、よきも、わるきも食用にたてること」と申しております。「知恵、才不才、それぞれ畢竟よき人にさへできれば宜し」-これが教育の眼目である。 人間学のすすめ