菜根譚 前集52

「恩を施す者、内、己れを見ず。外、人を見ざれば、即ち()(ぞく)(ばん)(しょう)の恵に当るべし。物を利する者、己れの施を計り、人の報を責めなば、百鎰(ひゃくいつ)と雖も一文の功を成し難し」

――施しは自分が気取らず、相手をも見なければ、5-6升でも何万石に当るであろう。用立てもソロバンをはじいて利息を取るなら百万円でもピタ一文に及ぶまいーー