尊敬を持って 高峰秀子氏の言葉

私は、この大女優の私生活を閲覧して、またとない大人物に邂逅した思いであった。高峰秀子氏は、どのような老僧、老師よりも、人間として本物である。不言実行の、なかなか出来た人物であった。ほんものである。

 

1.「今日という日は、二度と戻ってきません。私は毎日、そう思って生きてきました。だから、あなたも毎日を大事にして下さい。」

 

2.「私は考えても仕方ないことは考えない。自分の中で握り潰す。」

 

3.尊敬する理由は?

「やっばり、人として潔いことですね。」

 

4.「人は、その時々の身丈(みたけ)に合った生活をするのが一番です。」

 

5.「迷わない人、決断力のある人は、自身の中に揺るぎない己の規範を持っている人だ」。

 

6.苦労をした事が偉いのではない。苦労に押し潰されず、苦労に打ち勝ったことが尊いのだ。その至難の業をやり遂げた人こそ、人として本当の幸せや、美しさが生まれるのであろう。

 

7.そして、それを為し得るために必要なものは、多分、己への厳しさだ。誰が見ていなくても、誰に指摘されなくても、自分自身の行いや、考えを一番知ってるのは自分だ。高峰秀子は努力しない自分、手を抜く自分、いい加減な自分を絶対許さない。この人の中に棲む()、もう一人の自分が、鋭い眼で高峰秀子を見つめているのだ。その眼は、恐らく他の誰も見る時よりも手厳しく冷酷なのではないだろうか。(斉藤明美)

 

8.「人の時間を奪うことは罪です」。

 

9.「家に帰って本でも読め」

 

10.・・・・秀子は決して自分から人に連絡しない、誘わない。そして会う時は、待たされる事は有っても

、待たせることは金輪際ない。50年の女優人生、驚くべきことに、「無遅刻無欠勤」である。

 

11.

・・・泣いたって、わめいたって、終わる時が来なきゃー。ダメなんだって、身に染みて、もう、何て言うのか、頭で考えなくても承知していたんだね・・・・。

 

12.

自分のお尻を叩くのは自分しかないんだよ。

 

13.

人は人だからね。

 

14.甘えないのは自分に甘えないことなのだ。自分に厳しいことなのだ。

 

15.

常に良い状態を保ち、極めて高い水準を維持している。それはあらゆる日常の局面に現れていて、先ず分かり易い事で言えば、高峰秀子は、相手によって態度を変えない。人間の肩書きや地位で見るのではなくて裸のその人のものを見る。相手が若かろうが、無名であろうが関係ない。「どんな人間なのか」なのだ。(斉藤明美)

 

16.あんた何か、何かって言うと、直ぐに好きだの嫌いだのって言うけれども、私達は簡単に人を好きになったり嫌いになったりはしません。

 

17

兎に角大事なものは信用です。人間は生まれてから死ぬまで。  (人気と信用の違い)

 

18.野生動物のように作為がなく、あるがままに受け入れ、あるがままに生きる。それが生き方全てに貫いているのだ。

 

19.松山善三氏の人柄

他者に対する劣等感は、いわば優越感の裏返しで、その奥には、人より優越でありたいという欲求があるものだ。常に他者と比べる気持ち、自意識の強さ、私が、俺が、という我欲があるのだ。

 

20.私は夫に対して何をしてあげられたかしらと考えた時、何もないの。せいぜい私が一度も寝付かなかったことぐらい。

 

21.人は結婚に何を求めるのだろう。少なくとも、それは求めるものではなく、「与え合う」ものだ。と私は秀子夫妻を見てそう思う。

 

22高峰は他者に対して自分を押し付けない。どう思ってもらっても構わない。好かれようと嫌われようと、人は人、自分は自分、人の心を縛らない。秀子は野生動物のよあうに、無心であり無我なのだ。その作為の無さが人の心を惹きつける。無心であることほど、可愛らしいことはない。