618日 (ものうい) その三

 それにもう一つ、東洋的気分に大切なのは「優游(ゆうゆう)」、つまり物と游()ぶ気分のことだ。物と游ぶとは、きれいな花を見て、それわ手折ってわが家の花瓶に活けるというより、自然のままのその姿を賞でる心、これを真の美とする気分である。  安岡正篤人間像