日本人よ、個性的であれ 池辺晋一郎 

民主党を支持していたが失望、というJAL会長・稲盛和夫氏の発言に同感。 

他人がやることは批判してきたくせに、いざ自分が「やる」側へ回ったら何もできない、という民主党政治には、腹が立つのを通り越し、呆れかえるしかない。 

その「呆れかえり」の筆頭は、八方美人的で、どこかおどおどした政策ともいえぬ政策。

この国は、どうあるべきか、というビジョンもポリシーも見えない。 

尖閣諸島や北方領土に関する中国やロシアとの対峙、アメリカとの沖縄基地交渉、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への対応など、強面に出ろというわけではないが、兎に角、言うことに意思と一貫性を持たせてくれないですからね。 

さらに言っておきたい。

この党には、長期のスパンというコンセプトを持った人がいないのだ。

文化や科学、教育、スポーツなどに関する「事業仕分け」でそれが露見した。このままでは、この国は全てが次第に衰えていってしまうだろう。 

経済は大切な問題だ。経済をしっかりさせなければ、--それは恐らく正論だろう。

だが、経済は手段に過ぎない。目的にはなり得ないのだ。 

経済を立て直した暁に何をどうするのか。

それこそが最も大事なのではないか。

兵力を持たず、反核兵器の精神を世界に波及させ、この星の存続について世界を牽引できるのは日本なのではないか。

その為には、「真の大人」でなければならない。

尊敬される大人は、歴史と文化を背負っていて、その一言一言に重みと説得力があるだろう。

 

とは言え、これは何も民主党だけの話ではない。

「自由」と「民主」を組み合わせれば何が出来るのか。

何をどう考えて「たちあがれ」と言うのか。

「みんな」とは誰を指すのか。

どの政党も、具象性を欠き、ポリシーがぼんやりとしている。

日本は、個性的な国であって欲しい。

明確な指標を示し、尊敬され、かつ強力な、そして文化を知る人物。

そういう人が、どこかにいないものか・・・・・。