日本経済の潮目 

感慨無量なものがあるのが日本経済のここ十年である。国際政治的な陥穽と日本の指導者の不甲斐なさで必要以上に冷戦による独りがち日本は、その代価を支払ったようなバブル崩壊、その大ダメージがウソのように昨今である。

つらつら思うに、

1.良い悪いは別として、日本と台頭中の中国とは経済の緊密化が深耕している。

2.大国・インドの経済も昇竜であり、日本との結びつきは高い。総体的に日本はとても良いポジションに現在するのである。

3.アメリカの政治経済的指導力は世界的に低下中であり、EUはまだ一体的でない。

4.だが、日本の円、二十年ぶりに安い、安すぎておかしい。

5.日本の大企業の業績は決して悪くない。外貨準備は最高に高く膨らんでいる。だか、円は安く世界の主要通貨の地位が危うい。

6.アセアン諸国との連携も不悪な日本でもある。

7.日本のエネルギー効率は、世界最高で、米国の三分の一、中国の十分の一である。

8.中国とインドの大気とか水質、土壌の汚染は極限に到達しつつある。地球温暖化原因の   大きな要因を持つ両大国である。

9.日本はその両大国に大きい期待をかけられてもいる。それを外交に使わぬ道理はない。   トヨタ自動車などは、自己本位でなく日本国の為に政府と連携をしなくてはなるまい。

10.然るに、この「円安」、と「株安」は理解に苦しむ。中国、インドへ世界の投資家が目を向けているからであろうか。 

11.だが、円安の理由にエン・キャリートレードがあるという。世界で最も金利の低い日本が世界各国の中央銀行の金融政策を無力化しているからだともいう。金利が低いことで、一番弱い通貨になり下がったのである。 

いずれ。円安は問題化されるであろう。 

平成19年5月25日 

徳永日本学研究所 代表 徳永圀典