お金社会学3 について

 

61

君子、財を愛す。これを取るに道あり。

君子は道を憂えて貧を憂えず。 明心宝鑑--存心

62

君子は義に喩lり少人は利に喩る。喩--さとる。

判断基準に君子は正義を考えるが少人は利に基準を置く。 論語里仁

63

利によりて行えば恨み多し。

自分の利益中心は恨みを受ける。論語里仁

64

利して利するなかれ。 呂氏春秋

為政者や人の上に立つ者は国民の利益を考えて政治をすべきで自分の利益を計らない。これが欠ける現今政治屋連中。

65

利を見て義を思う。 論語 憲問

利を見てそれを得る事が義と理に合うか考えよ

66

利を営む者は患い多く、諾を軽んずる者は信寡し。

利益ばかり考えている者は心配事絶えず

67

利は天より来たらず。

自分で努力して得るしかない

68

利を思うより費を省け。

言わずもがなのこと。

69

利は向上になかれ。

ぎりぎりの処まで利益を求め過ぎてはならぬ。

610

学者に二代なく、長者に三代伝わらず

学者も金持ちも優れた後継ぎが育ちにくい。

611

利勘がすかん。

損得勘定がさといと-打算が過ぎると目論みはずれ

612

利根却って愚痴となる

少才がきくと失敗を招く。

613

小利を見れば即ち大事ならず。

大きい事業をなしとげるには目先の利益にこだわらない

614

利は元にあり。

利益の多少は資本の投じ方次第。安い仕入れにある

615

一事起れば即ち一害生ず。

世の中の利益は相対的なもの。  采根譚

616

一利を興すは一害を除くに如かず。

利益になる事を一つ始めるには従来からの害となる事を一つ除いたほうがよい。

617

卵を割らないでオムレツは作れない。

必要な行為なくして期待の結果はない。

618

小富は人にあり大富は天にあり。

多少富を増やすは人の才覚、大きい富は天運。

619

人を利することは実に己を利する根基なり。

情けは人のためならず。 菜根譚

620

大利は利ならず。

余りに大きい利益は利益があるように見えない。

621

少利を捨てて大利につくべし。

目先の小さい利を捨てて将来の大きな利益をとるがいい。

622

争う物は中より取れ。

利益を争っていると中に入った第三者の手にいる。

623

損せぬ人に利益なし。

損失を恐れていては大儲けなし。

624

利を争うこと掻甲-そうこう-の如くにしてその掌を失う。洵子

爪のような小さい利益を争いてのひら-掌のような大きい利益を失う。

625

遠道は近道。

なまじ近道より安全確実な遠道が結局早く目的に達する。

626

利潤に耽るは商人の失。

儲けにこだわると失敗する。

627

升の物を惜しんで斗の物を出す。

一文惜しみの百損。僅かの物惜しみが齎す結果。

628

逃がした魚はいつも大きい。

t was always the biggest fish I caught that got away.

629

石臼切らんより茶臼切れ。

同じ労力なら価値の高いものか利益の多いもの作れ。

630

日計足らずして歳計余りあり。

目先の利益はなくても長い間には利益がある事。

どおも、市場経済の思考と違うものが多いですね。日本には江戸時代から、経国済民の思想から経済の言葉がありますから、米国のようなごく一部の富豪が利益を寡占する手法と異なります。、果たしてどちらが大多数の人間を幸福にさせるか。私は過激な市場経済に疑問を抱く。然し、日本の資本が柔軟性、創造性に欠けているのは深刻な現実で、国際規格に合わせなくては日本が落伍してしまうとの矛盾も痛感しています。
利に関しては本日を以って終了します。71日からは
に関するものを蒐めたい。ご閲覧有難うございます。
                     平成14630日    徳永圀典