623日 孝行

 作者は唐の玄宗朝・初期の名宰相、天下の桃季悉く公の門に在りと言われたほどよく人材を集めた人である。

平生いつも帰りたい帰りたいと故郷の空ばかり見ていたが/やつとと今朝帰省して肉親にあうことが出来た/もう高齢でも、幸にまだ健康なお顔の色であるが、/歳月というものは仕方ないもので、めっきり白髪がふえられた/好い味のスープを作って玉のような竹の子もあれば/見事な魚も盛り合されて、きれいな膾も出来ている/人生のあらゆる行の中でも、何と言っても孝行が一番だ/孝行ということにかけては本当に古の哲人が慕わしい。  光明蔵